並べるのではなく、世界を見せる ── ソウルの文具フェア「INVENTARIO 2026」

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INVENTARIOとは

INVENTARIO(インベンタリオ)は、文具を通して、ライフスタイルやワークスタイルのなかにあるさまざまな「好み」を探っていくフェアです。INVENTARIOの由来は「物と記録の目録(インベントリー)」。私も手帳歴5年ほどですが、日々記録していくことの大事さを感じるので、ステキな名前だなと思います。

主催はプレミアム文具店のPOINT OF VIEW(ポイントオブビュー)。今年のスポンサーはNAVER(ネイバー)です。

2025年に初めて開かれましたが、2回目の今年は規模を倍以上に広げ、103ブランドが参加。会場もCOEX The Platzの2フロアに拡大しました。

2026年は6月10日〜14日に開催され、テーマは「世の中を変えた道具」。小さな道具ひとつが思考を動かし、その思考が暮らしを変えていく。道具が変われば暮らしが変わり、変わった暮らしがまた道具を生む——そんな循環が掲げられています。

入場まででわかる、注目度の高さ

INVENTARIOの勝負はまずチケットを取るところから。Instagramでいつから販売するかを4月頃チェックし、NAVERでその時間にアクセスを試みます。アクセスしたら数百人待ち、決済画面に進んだと思ったら何度も失敗。そのとき友人と外でランチをしていたのですが、話しながらスマホとにらめっこ状態でした。本当に韓国のチケッティングは大変です。

あまりに原因不明で何度も失敗したので、取れた瞬間、おもわず「やっっ……!!!」と立ち上がって叫びそうになりました。
韓国ドラマで、主人公がPCバン(インターネットカフェ)で争奪戦して、取れた瞬間大声出すあの気持ちが分かる。

そして、当日は平日の朝11時半に着いたのに、COEXの1階は大行列。30分並んで、受付が終わったのは12時すぎ。入場の受付だけで30分かかりました。どなたかのインスタで「休みの日に2時間並んだ」というのを見かけたので、それくらい注目されているイベントなのだと思います。

この全てがINVENTARIOの列……!

2年連続で、行ってきました

見る角度によって「NAVER LOUNGE」と「INVENTARIO」が変わります。

INVENTARIOには2年連続で行ってきました。今年は2フロアに拡大。去年と同じ並びのブースに加えて、個室のブースが増えて、展示が大きく二種類に分かれていました。
入口の手前で、受付でもらったパスポート型の案内に書き込みしている方々がいて、熱心な方々がいるんだなと思っていましたが、私も同じように回り方を予習すればよかった、と後悔しています。個室のブースに、いくつか端末に入力して順番待ちしなければいけないブースがあることに後から気づいて、いくつか注目のブースを逃してしまいました。
絶対に見たいブースは一番最初に行かないとですね。

入口のエリアはNAVER LOUNGE。
人が多すぎたのでじっくりは見なかったのですが、この写真は、NAVERのトップページに出るようなデジタルなイラストも、針、糸、筆といった手の道具で作られている、という展示のようです。そのように1つ1つ丁寧に作られている背景はとても興味深いなと思いました。

Nマークがどれもかわいい。

右側のエリアから

会場は、入って右側が一般的な展示ブース、そして左側がブランドごとに個室になったブースでした。私は右側から回ったので、その展示の気になったブランドを紹介します。

大人が持てる小さなメモ帳「TIETOA

小さくて上品で可愛いアイテムに、思わず足を止めたTIETOA。インスタグラムを見ても、まだ公式なショップがないようです。小さなメモ帳があまりに可愛くて、思わず買ってしまいました。小さなメモ帳と、革製のカバーがあって、それをカバンにつけて持ち歩くスタイル。大人が持つのにおしゃれな小さいメモ帳、というのがいいなと思いました。お財布も素敵で、これからが楽しみです。

眺めるだけでワクワク!「PAPERIAN(ペーパーリアン)」

PAPERIAN(ペーパーリアン)は、私自身前からよくお店で手に取っていたブランドで、シールなどを持っています。グレイッシュなくすみカラーがかわいいですよね。壁のコルクボードに写真やアイテムがコラージュされていて、あれもこれもと集めたくなる見せ方。眺めているだけでワクワクしちゃいます。

ミニマルで、どこかレトロなデザインと、やわらかい色合いが特徴。メモパッド、ノート、カレンダー、ステッカーと種類が多くて、見ているだけで楽しいブランドです。

光って眩しい!「GEEHEY(ジヘイ)」

なんか、光って眩しいブースがある!と吸い寄せられていったのがこのGEEHEY(ジヘイ)。全て真っ黄色で細々としたアイテムが貼られているのをみると、なんだか元気がでませんか?

あとから調べたら、GEEHEYは大邱(テグ)の小さな文具店で、黄色をシンボルにした温かい雰囲気のお店でした。ソウルから気軽に行ける距離ではないのが残念ですが、あまりに小さい鉛筆やカラフルなノートなどを見ていると、自分が小学生だった頃、文房具にワクワクしていた気分を思い出して、いつかお店に行ってみたいなと思いました。

途中で、一度休憩

ここまでで、いったん休憩。途中で外に出てOKなのが嬉しいですね。会場の近くにいいカフェがいくつかあるのですが、今回はご飯を食べてからBONANZA COFFEE(ボナンザコーヒー)へ。BONANZA COFFEEは日本未上陸なので、COEXに来たらおすすめです。

左側のエリアへ

文字そのものが見応え「PaTI(Paju Typography Institute)」

PaTIは、今回のフェアのビジュアルパートナーを務めた、坡州(パジュ)にあるタイポグラフィの学校です。文字やグラフィックの見せ方そのものに見応えがあって、このフェア全体の「視覚の世界観」を支えている存在なのだなと思いました。

意味づけされたノートたち「HANSOL PAPER(ハンソルペーパー)」

入口のすぐのところにある紙の時計が印象的だったのがHANSOL PAPER(ハンソルペーパー)。紙の時計に、Idea Keeper/Thinking Sketch Pad/Research Note……と、仕事の流れに沿って役割を意味づけしたノートたちが並んでいました。韓国では、こうして役割を持たせたノートをよく見かける気がします。マインドマップ用の丸が描かれたThinking Sketch Padを買いました。あとで知ると、実は印刷用紙から感熱紙まで手がける韓国最大級の製紙会社で、見たのはそのほんの一部だった、というのも面白いところです。

歩いているだけで、想像がふくらむ

ここまで見てきて、何時間まわっても新しい発見があって、結局2周3周とぐるぐるしました。パンフレットがパスポートの形をしていて、回ること自体が楽しくなる仕掛けになっているのもよかったです。

でもいちばんは、やっぱり趣向をこらした各ブースそのものでした。

歩きながら気づいたのは、どのブースも「商品を並べる」のではなく、その商品がある暮らしの「場面」を見せていたこと。コルクボードにコラージュされたアイテム、役割を意味づけされたノート、ブースまるごと真っ黄色の世界。どれも、商品そのものより、それがある暮らしや気分のほうを差し出してくれている感じがしました。

だから、ただ歩いているだけで想像がふくらむ。「このノートで、こんなことをしたい」と、自分の暮らしのほうへ気持ちが動いていく。文具という小さな道具を入口に、暮らしの場面ごと見せる。その作り方が、このフェアのいちばんの面白さだったと思います。

当日券はほぼ出ない状況なので、これから日本から来る人もチケットが取りやすくなっていくといいなと思います。

📍INVENTARIO 2026
会場:ソウル・三成(サムソン)、COEX The Platz
2026年6月10〜14日

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